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これ以上の惨劇はごめんだ。
僕が悲鳴を上げかけたその時――。
丸腰のはずの椎名さんの手から
なぜかバチバチと火花が散って
「くぁっ……!」
ルカの身体は一瞬宙に浮いた形で痺れ
そしてその場にゆっくりと崩れ落ちた。
「あ……」
丸腰のはずの――?
そんなこと誰が言った。
「こんな危ないもん、その辺に置いとくからさ」
椎名さんが手にしていたのはルカのスタンガン。
まさに神の雷ならぬ己の用意した雷に打たれ
吸血鬼は気を失った。
「さて、どうだいそっちは?」
スタンガンを置くと何事もなかったように
襟元を正し椎名涼介はこちらを振り向いた。
「ダメッ……!全然血が止まらないっ……」
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