episode247 アッチェレランド

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「論より証拠か」 椎名さんは胸元から取り出した携帯の画面を あきらめ半分な顔して僕の方へ向けた。 再生ボタンを押すと すぐに画面は先刻の薄暗い地下室にいる僕らを映し出す。 「っ……!」 僕はほぼほぼ絶句した。 始まりは唐突で僕らはすでに69の体勢を取っていた。 「なあに、こっから10分足らずの短い動画さ」 多分励まそうとして言ってるのだろうが。 「時間の問題じゃありません」 「そう?」 「ここからの10分で僕、どんな酷いことが起こるか知ってるからね!」 ああ、そうさ。 十分に人生を破壊しうる10分間だ。 「残念。僕はこの時点で車に飛び乗ったから実はまだよく見てないんだよ」 「椎名さん!」 にやけ顔で画面をのぞき込む 椎名涼介の手から携帯を奪った。 でも操作に慣れていないから 『ンッ……アアンッ……お兄様っ……きもちいい……!』
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