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思いのほかはにかんだ声を洩らしてしまった。
正直僕は薫がここまでするわけないと思っていたから。
だけど予想に反して
初めての唇が――。
「んっ……」
欲深い蜜を湛えた僕の先端を躊躇いがちに啄ばんだ。
そこからは――。
今まで抑え込まれていた僕の欲望が
自分でも怖いくらいにヒートアップした。
「ック……アア……」
僕の赤い唇はすぐに応えて
張り詰めた薫の分身を根元まで飲み込んだ。
夢中で味わい首を振ると
少しずつだけれど薫も応えてくれる。
もう大丈夫だと踏んだのかルカがそっと身を引いた。
それで――完全に密着した。
重なる花びらのような形で僕らは
急速に欲望に身を任せた。
「すごいな」
ルカの口からかすかに蔑んだ笑い声が聞こえても。
僕らはもともと耳なんてなかったみたいに
今やどちらも何も聞き入れなかった。
ルカが黙るとただ荒い息遣いと
いやらしく爆ぜる水音が重なり合って部屋を満たした。
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