episode247 アッチェレランド

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「ンッ……ンンッ……」 さすがは音楽家。 薫は僕の好きなリズムをあっという間に習得してしまった。 あとはそう。 練習曲を繰り返し弾くように 何度も何度も調整しては弾き直す。 実に薫らしいやり方だった。 どうにかして先に陥落させてやりたい。 僕より情けない声で啼かせてやりたい。 その一心で僕も励んだ。 いつしかラグの長い毛足が 汗ばむ身体に絡みつく。 「ああ……きもちい……」 しかしそれすら快感だった。 ルカにとっても僕らが積極的に混ざり合う この様子を目の前にして舌なめずりしていたはずだ。 奴が求めていたのは真に融合した瞬間。 善と悪。 生と性。 薫と僕――。 「もういいでしょう?頂戴……」 望んでいた欲望が ついにひとつになる時が近づいていた。
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