81人が本棚に入れています
本棚に追加
「薫お兄様……?」
しかし
何もかも思惑通りはいかないものだ。
ぷつんと糸が切れたみたいに
操り人形だったはずの次兄は同じ動作を繰り返す。
「やだっ……なんでっ……」
つまり何も聞こえないみたいに
延々と口淫のリズムを刻み続けるんだ。
「んっ……そんなにしたらダメッ……!」
切羽詰まった己の声音が
食いしばった歯の間から洩れ出した。
それでも薫はお構いなしだった。
元々僕を欲しているわけではないのだから
意思疎通を図るつもりもないのかもしれない。
「薫お兄様っ……もうやめっ……!」
身を引こうとすればするほど
反対に力尽く抑え込まれ一際激しく吸い上げられる。
最初のコメントを投稿しよう!