episode247 アッチェレランド

7/30
前へ
/30ページ
次へ
「薫お兄様……?」 しかし 何もかも思惑通りはいかないものだ。 ぷつんと糸が切れたみたいに 操り人形だったはずの次兄は同じ動作を繰り返す。 「やだっ……なんでっ……」 つまり何も聞こえないみたいに 延々と口淫のリズムを刻み続けるんだ。 「んっ……そんなにしたらダメッ……!」 切羽詰まった己の声音が 食いしばった歯の間から洩れ出した。 それでも薫はお構いなしだった。 元々僕を欲しているわけではないのだから 意思疎通を図るつもりもないのかもしれない。 「薫お兄様っ……もうやめっ……!」 身を引こうとすればするほど 反対に力尽く抑え込まれ一際激しく吸い上げられる。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加