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引いている感じがするものの染井はあっさりと俺の嘘を信じた様で、少しだけ笑いながら馬鹿だねと言った。 実際はそれ以上の大馬鹿者な訳だけど、それを言えるはずもない。 「今、まだ5時前か……。 吉野風呂どうする?」 「染井が先入れよ。俺は後でいい。」 腰と太ももの付け根あたりに違和感があって、変な歩き方になるかもしれない。 ごまかすために染井が風呂に入ってる間にどうごまかすか判断しなければならない。 あまりに駄目そうなら、酔って階段から落ちたことにすればいい。 「じゃあ、お先に。」 染井は立ち上がるときょろきょろと室内を見回してバスルームに消えた。 ここが所謂ラブホでは無く普通のホテルで本当に良かった。 起き上がると腰は嫌な違和感がある。 無理をして立ち上がるとずきずきと関節は痛むものの短時間であればごまかしがききそうだった。 それに、乾いてしまった精液がこびりついて取れないのだろう。 随分と長い時間シャワーを浴びていた染井のおかげで心の整理がある程度ついた。 戻ってきた染井にいつもの調子で返事をして、いつもの様に歩いてバスルームで体を洗った。 水の流れる音を聞いてさすがに少し泣いてしまったけれど、大丈夫。これで友達に戻れる。 ちゃんと最善の選択をしたに違い無いと思った。 ◆     
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