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どうやってごまかそう。どうやったらごまかせる?
体からザッと熱が奪われて手先が震えている気がする。
頑張れば、俺さえ頑張れれば友達でいられる筈なんだ。
「嫌だったなら、なんであんなに縋りついてきたんだよ。」
染井に言われ、もう駄目だと思った。
「染井、覚えて……。」
「やっぱり、吉野も覚えてるんだね。」
「ほとんど覚えていないけど、少しは。」
染井が溜息を付いた。
思わずビクリと体を震わせてしまった。
「なんで、嘘ついたの。」
「……せめて友達でいたかったから。」
それ以外ある筈がない。それは染井も一緒だったから無かったことにお互いしようとしたんじゃないのか?
「せめて?」
染井が不思議そうに俺に聞く。
好きだって伝えられればいいのに、自分の口から出るのは染井を攻めている様な言葉だけだ。
「友達でいたかったから嘘をついたのは染井だって一緒だろう。
別に俺の事好きでもないのにセックスして、無かったことにしたかったのは染井の方だろ。」
あの日の事があって困るのは染井の方だ。後悔しているとしたら染井の方だろう。
「嫌な思い出、無かったことにしたいのは吉野だろ?」
「嫌だなんて言ってないだろう。」
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