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「染井はどうする? この店結構、柑橘系そろってるみたいだけど。」 俺が聞くと染井はチラリとメニューを見た後「コーラで。」と言った。 「あれ、染井飲まないのか?」 調子でも悪かったのだろうか。 それであれば無理をしてくるような話じゃない。 「ちょっと暫く酒は控えようと思ってるだけだから。」 染井はへにょりと眉毛を下げて笑った。 「へえ……。」 何かあったのかとは聞けなかった。 思い当たる節はありすぎた。もうあんな失敗したくないもんなあ、とはさすがに言えそうに無かった。 酒の所為で友人と馬鹿をやった染井と、酒の力が無ければ染井に触れることもできなかった俺。そりゃあ、頼むメニューは違うよなと思った。 飲み会自体はいつも通りでだらだらとつまみを腹に放り込みながらだらだらと酒を飲むだけだ。 染井は別にモテない訳じゃないみたいだがあまり女の子と要るところは見た事が無い。 飲み会でもいつも俺かそれ以外の友人かとだらだらと飲んで食ってしているだけだ。 それは染井がアルコールを摂らないからといって大体同じで、気が付いた時には足元が少しだけおぼつかないであろう程度には酔ってしまっていた。 「なんで、吉野は毎回毎回こんなに酔うんだよ!」     
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