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「え? 地球防衛じゃないのか?」
飯場がアサルトライフルを分解していた手を止めずに放った言葉に、
「人類の平和と尊厳を守るのが俺たちヒーローだ」
と、犬神が気取ったようにポーズを決める。どうやら、彼の中の特撮ヒーローは[昭和]系と[平成]系が混ざっているらしい。
「何を言っているの? 私達〈超科研〉は超常現象を科学的に解明し、否定することを目的とした部活でしょ?」
そう言った貞子は、当然のように飯場と大神を指差しながら「あなたたちのような」という言葉を忘れない。まぁ、半分透けている存在から言われても説得力はないのだが。
「何を言っているんですか……死後の世界や超科学文明、高位次元と交信し、人類をあらたなるステージへと進化させることこそが、私達に与えられた使命じゃありませんか……」
まるで、新興宗教の御本尊のような外観のロボットが自らの言葉にうっとりとした口調で洒落にならない台詞を吐き、
「死後の世界とか、科学の塊が非科学的な……」
と、貞子を呆れさせ、
「死後の世界はあるんです!」
と、かつての大物俳優の名言(?)でHALLが反撃する。
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