理亜という少女

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 まるで廃墟のような――いや、既に廃墟そのものである古びた廊下を進み、軋む階段を恐れることなく登り、〈資料室〉と書かれたプレートのある扉を開ける。  そう、ここが〈超科研〉の部室として宛がわれた場所である。  中を覗くと…… 「お、やっと来たか、コマンダー……」  既に他の部員は揃っていた。  理亜を入れると総勢5名の部員――  部長就任から数ヶ月が経ち、とうに見慣れたはずの面々を見渡した理亜は、また溜息をつく。    ――これじゃ、希少種の鳥と並んでバードウォッチングしているようなものよ……  入部した初日に抱いた印象は、二年生に進学した今となっても変らない。  何故なら……
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