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第18章 H3ー24L打ち上げ
アレスVの事故より12ヶ月
国産有人ロケット打上げの前日
明日はいよいよジュンのロケットH3―24Lの打上げ予定日だ。
既にジュンは一緒に宇宙に上がる渡辺飛行士と共に一週間前から種子島宇宙センターに入っていた。
また、夏姫の父の健一も一昨日から種子島宇宙センターに入りジュンのサポート業務についていた。
打上げには真理も行きたいと希望していたが、種子島迄の移動が真理の心臓に与える影響が未知数な事もあり、残念ながら主治医の健一が許可を与えなかった。
真理は失望していたが、代わりに病室へ大型のモニターを設置してもらい、JAXAの特別映像をここに映して貰う事で納得していた。
ジュンと真理の両親ディブとローラはジュンの打上げを見学する為、一週間前から日本に滞在していた。そして彼等も昨日の飛行機で種子島に移動済だった。
夏姫もこの日、種子島に移動する予定だったが、その前に真理の病室を訪れていた。
真理の病状は安定していて、彼女はジュンの打上げを本当に楽しみにしていた。
「夏姫さん、ドキドキしている?」
真理は大きな瞳で夏姫を見つめていた。その顔は喜びに溢れていた。
「うん、とってもドキドキしている。ジュンの打上げが成功して、ES細胞の全能化を実現して、そして真理さんが元気になる未来に向けた打上げだから・・」
真理も大きく頷いている。
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