第18章 H3ー24L打ち上げ

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司令船(フェニクス)機内 渡辺とジュンは打上げ前の最終チェックを終了させた。 管制司令室でフライトダイレクターによる最終確認が始まった。 「EECOM」 「GOです」 「ナビゲーション」 「GOです」 「テレメトリー」 「全パラメータ問題無し、GO」 「コントロール」 「GOです」 「通信」 「GOです」 「気象」 「GOです」 「CAPCOM」 「GOです」健一が答えるのが聴こえた。 「そして、パイロット」 渡辺がジュンを見た。ジュンは親指を上げてOKを合図した。 「渡辺、川崎とも準備完了、GOです」 渡辺が船長(コマンダー)として答えた。 管制指令室からの声が続く。 「フライトダイレクターだ。オールシステムはGOだ。それではカウントダウンを再開する。Tマイナス120セカンド」 カウントダウンが再開された。電子音声でカウントダウンが流れ始める。 「オートマチックカウントダウン シーケンス開始」 「H3―24L、自立制御に移行」 「Tマイナス60セカンド」 「ステージI、準備完了」 「ステージⅡ、準備完了」 「Tマイナス30セカンド」 「全自動システム準備完了」 「行くぞ、H3―24L、フェニックス、Go For Launch!!」 フライトダイレクターの声が管制室に響くと管制室から大きな歓声が上がるのが司令船(フェニクス)でも聴こえる。 「Tマイナス13セカンド、エンジン始動シーケンス」 「10」 「フライトモードON」 「8、7」 「メインエンジンスタート」 ジュンの耳に司令船(フェニクス)の後方より大きな爆音が始まったのが聞こえる。 「3、2、1」 「SRB点火リフトオフ」 その瞬間、ジュンの身体に大きな重力加速度が襲って来た。そしてH3―24Lがゆっくり発射台を離れていく。
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