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「それは、俺が今から君に告白するからさ・・」
「えっ?」
「ナツ、俺と付き合って下さい。お願いします!」
そう言ってジュンは大きく頭を下げた。
「えっ? ちょっと待って、何を言っているの?」
夏姫が周りを見渡すとカフェテリア中の学生が二人を見ている。
恥ずかしくて堪らない。耳まで真っ赤になっているに違いない。
夏姫は大きく首を振った。
「お断りします。知らない方とお付き合いは出来ません。ごめんなさい」
夏姫も頭を下げる。
そこに優子が戻ってきた。
周りのザワつきと自分達のテーブルに視線が集まっている事と、そこに見知らぬ男の子が居る事に優子は興味津々の様だった。
「夏姫、この男の子は誰かな? 貴女の知り合い?」
優子の問い掛けに夏姫が大きく首を振った。
「知らない人」
そう言うと夏姫は、ジュンに向き直って言った。
「川崎さんでしたっけ。申し訳有りませんが、お引き取り下さい。私は貴方とお付き合いするつもりはありません」
ジュンが肩を竦めた。
「分かった。今日は退散するよ。でも受けてくれる迄、毎日告白するつもりだから。それじゃ、また明日!」
そう言ってジュンは足早にカフェテリアから出て行った。
これが昨日の昼食時に発生した事件だった。
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