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すると、園部の妻があがってきた。
顔を真っ青にさせた、家政婦の女もやってきた。
家政婦の女は、服を乱れさせていた。
「うそでしょ、まさか家政婦の女は旦那様に襲われているところを妻が目撃して殺したのではあるまいな」
私は驚いて指をさす。
家政婦の若い女は、震えている。
妻が、
「あなた、誰よ!?」
と至極まっとうなセリフをはいた。
私は刀を背中にさしており、カジュアルなゴスロリファッションをしている。
痛い中二的な恰好をしている。
放っておけ。
ともかく、私は驚愕の真実に動けない。
「違うでしょ、殺したのはあなたでしょ?!」
「うーん?」
殺したにしては私の服がきれいだ。
私は失っている記憶がないか思い出してみる。
この家には盗聴器を仕掛けている。
隠しカメラも当たり前に仕掛けている。
死ぬ前。園部が例によってこの家政婦にいやらしい目を向けていた。
そこで、家政婦が悲鳴をあげたところで窓から――。
「あ、私か」
私が入ってきた。
うん、入った。このままでは家政婦が犯人になるという面白みのない展開になる。
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