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この家政婦は園部に借金をしていた議員秘書の娘で、払えない借金のせいでこちらにやとわれている。支払える金額にまで達したら解放されるらしいが、そんなわけもない。
ひどい扱いを受けているのは言うまでもなく。
私は憤りを感じているわけでもない。
どうしようもない男であるのは確かだが、この男にはまっとうな死を与えたくないだけだ。
サスペンスではなく猟奇殺人事件の被害者くらいにはなってほしかった。
いや、この家政婦が襲われていて――。
「窓から泥棒入ってきてましたよね」
そうそう、この男の麻薬を販売している下っ端ヤクザが末期がんになったので、やけになって男の家に泥棒に入ってきたのだ。
これだけ悪いことをしているというのにボディーガードは雇っていない。
園部は銃を持っていたからだ。
それで守れるとでも思ったのだろうか。
ともかく、ヤクザは園部と家政婦がもめているときにバッティング。
これではいかんとばかりに私は園部を守るべく部屋に入っていった。
ヤクザは包丁を振り回す。私はそれを持った手を蹴り上げた。
園部が銃を発砲。
当たらなかったが、パニックになったヤクザが園部に向かっていき銃を奪った。
ヤクザは私に銃口を向けた。
銃撃をかわし、ムエタイキックでヤクザを気絶させる。
園部は助かったとばかりに私に手をかけようとした。
家政婦の女は階下へ去った。一応妻を呼びにいったのだ。
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