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いつか必ず
by 浜辺 誠
「あのさ…私達…別れよ?」
鈴香の言葉にショックを受けた。
こんなにも鈴香のことが大好きだったのに突然の別れ。
「そっか…」
少ししてそう言ったあと俺はその場を去った。
家に着くとそのまま部屋に行く。
鈴香からもらった物を机に置き、ベッドに寝そべった
(俺は何かしたのかな…)
鈴香に一目惚れした俺は気が付いたら告白していた。
初デートに渡したネックレスをいつも付けてくれた鈴香。
写真は苦手だと言っていたけど1枚ならと撮ったツーショット。
誕生日にはお祝いのケーキを。
クリスマスには鈴香が欲しがっていたぬいぐるみを。
鈴香との思い出を思い出していると別れることが嘘のように思えてくる。
鈴香からもらった紙袋を開ける。
チョコを食べて元気を出そうと思った。
「…え?」
チョコかと思ったらそこにはキャンディーとマカロン、そして手紙が入っていた。
『 誠へ
開けてびっくりした?
今年はチョコじゃなくてキャンディーとマカロンにしたの。急に別れようって言ってごめんね?でもこれは私達のためだと思って言ったことなの。私、実は今週の日曜日引っ越すの。場所は千葉県。離れちゃうって知って私はショックを受けた。誠のこと大好きだったから離れたくなかった。引越しで離れちゃうけど、誠元気でね?思い出をありがとう。愛してるよ誠。』
俺は手紙を持つ手が震えた。
「うそ…だろ?鈴香が引越し?」
この現実を受け止めれなかった。受け止めたくなかった。でもこれは鈴香が俺達のためを思ってした行動だと知り、それがまた涙へと変わった。
「あいつ…バカじゃねぇの?なんだよ…1人だけ悩みやがって…かっこつけやがって…千葉なんて遠いよ…俺…何も出来てねぇよ。情けねぇな。俺って。」
それから鈴香は本当に引越してしまった。俺が最後に見た鈴香の顔は鈴香の泣き顔だった。
あとから調べて分かったことなのだが、キャンディーは好きって意味で
マカロンは特別な人という意味だそうだ。
いつか絶対に鈴香に会って今度はプロポーズが出来るといいな。
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