[ハイファンタジー]廃艦の鍛冶屋

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[ハイファンタジー]廃艦の鍛冶屋

ここは砂漠の惑星ほし、カルカリナ。 地表はほとんどが砂で覆われています。 この星の住民は僅かな水源地に村を作り、そこで細々と生活しています。 水源は本当に貴重で、それらを奪うために争いが絶えません。 人々は小規模な同盟を組み、僅かな資源で武器を作り、敵を殺してその水源を奪います。 国なんて大規模なものを創り上げたら、その住民たちをまかなえるだけの水と食料が用意できませんから。 中には定住せずに、少人数でキャラバンを作って小さな水源を転々と回ったり、一人で旅をする人もいます。 そんな荒れ果てた砂漠が広がるこの惑星ほし。 見渡す限り、辺り一面砂だと思ったら大間違い。 平原に立つ大きな木のように、ソレは点在しています。 そうです。ふねです。 それは、太古の昔、古代戦争が起きていた時代に、空気の存在しないお空の彼方で撃沈された巨大な戦艦の残骸が、この惑星ほしに降ってきたものでした。 このふねの残骸は、武器の素材や建築資材として使われます。 これらのスクラップを集めて生計を立てる人々も存在します。 ふね漁りは、貴重な産業なのです。 そしてここにも、そのふねは静かに横たわっています。 周りの砂に似つかわしくないどこまでも人工的なボディを半分砂にうずめて。 数十キロメートルはあろうかというその大きなふねは、ボロボロの体で永遠の眠りにつきました。 このふねには、住人がいます。 一人の少年が、この鋼鉄のふねを根城にしているのです。 彼はそのふねの素材を使って、武器を作っています。 たった独りで、日々様々な武器を作り上げているのです。 そしてその武器を、ごくたまに来るお客さんに売っています。 チリんチリん。 ほら、来客を告げる鈴の音が鳴り響きました。 さて、今日はどんなお客さんが、はたまた旅人が、訪ねてきたのでしょう。
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