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時間は戻り午前6時。菊池真二(29)は今月で引越し予定だった。そのため部屋の片づけをしているのだがちょこちょこゴミが出てしまう。特に燃えないゴミの処理に困っていた。古くなって交換した電池が山のようにある。それを古いタオルにくるんだり、金属音がしないようにテープで固定したりして燃えないゴミといっしょに入れた。菊池の携帯が鳴る。
「あぁ、もしもし。今から出る。片付けもまだ終わってないし。燃えないゴミとか月1回とかマジないわ。取り敢えず燃えるゴミに混ぜて捨ててるけど、念のため向かいのマンションのゴミ置き場に出すわ。あ?うん。大丈夫。じゃ、また後でな」
電話を切るとそのまま菊池は木造アパートを出た。となりのマンションのゴミ置き場から人が立ち去るのを確認してゴミ袋をそのゴミ置き場に捨てた。菊池はそのまま次の引っ越し先まで移動していった。
結婚予定の菊池は婚約者と新しい新居の準備をしていた。おおよその家具家電はすでに揃えており生活もこちらにいることが多かった。
テレビではニュースをやっている。菊地の婚約者はニュースを見ながら真二に話しかけた。
「このマンションって真二のアパートの向かいのマンションじゃない?」
菊地がテレビに目をやると確かに向かいのマンションだ。しかも燃えている。レポーターが消防車の横でしゃべっている。
「どうやら出火場所はゴミ置き場付近のようです」
菊地は言葉がでなかったが直ぐにスマホで検索を始めた。検索内容は電池、発火、ゴミだった。
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