不発弾

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「とりあえず離れてください。」 警察官の指示に従って、僕と子供連れの女性は砂場を離れて公園の隅の方から様子を伺った。 今度は、警察官がどこかに電話しているようだった。 間もなく警視庁のパトカーと機動隊の特別車両が到着し、機動隊の爆発物処理班と思われる重装備の隊員がやって来て砂場の様子を伺っていた。 どこからともなく近所の住民が集まってきて、さっきの子供連れの女性に、 「何かあったの?」 と聞いているようだった。 すると、その子供連れの女性は、 「爆弾があったみたい!」 と周りに集まった他の人にも聞こえるような大きな声で答えていた。 警察官と機動隊員が何やら話しているようだったが、その後今度は機動隊員がどこかに電話しているようだった。 間もなく陸上自衛隊の車両と消防車、救急車、パトカー数台が到着し、辺りは物々しい雰囲気になってきた。 僕のところに警察官が近寄ってきて、 「不発弾の可能性がありますので、住民の皆様に避難していただくことになります。」 と言われ、避難場所に指定されている小中学校に行くように指示された。 僕は自宅アパートの避難場所になっている小学校に行くと、すでに多くの住民が避難してきているようだった。 僕は体育館に案内されて行ってみると体育館入口に受付が設置されていて、区役所の職員と思われる人の指示で住所と名前を記帳して体育館に入った。 体育館の中にはテレビが設置されていて、すでに多くの住民が固唾を呑んで見守っていた。 テレビには上空からの公園の映像が映し出されていたが、公園内には『不発弾処理現地対策本部』のテントが設置され、砂場の周りには10メートル程の高さの壁が設置されているようだった。 公園には掘削するためのショベルカーなどの重機も運び込まれ、不発弾の処理をする準備が着々と進められているようだった。 場面が切り替わり公園の周りの道路の状況が映し出され、警察官が通行止めにして公園から半径5キロ圏内に車が入らないように誘導している姿が映し出された。 また、消防隊員が消防車で住宅街を回って住民に避難を呼びかける姿も映し出された。 僕は相当大きな騒動になっていると感じた。
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