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「うっ。」
母さんと違って料理が苦手なおばさんは、小さなうなり声をあげた。
「お願いします。」
「よろしい。」
荷物を置いて、台所へと向かう。
料理はしないくせに、ちゃんと野菜とかは置いてあるらしい。
カレーでも作ろうかな、と冷蔵庫を覗いていると。
「学校は?やっぱり華崎?」
「う~ん。母さんにばれたら嫌だし、ちょっと遠くの学校にしようかなって。」
「じゃあ、日野川か。」
「うん。もう、編入手続きしてある。」
「え?寧音にもらえたの?」
「偽装。」
そう聞いて、叔母さんは納得したようにうなずいた。
私は、他人の観察が得意で、癖もよく知っている。
母さんの字の癖を見破って、似せて書くことは多々あった。
「日野川って、男女共学の所でしょ?」
「うん。」
「青春しなさいよね。結構あっという間よ。」
「そういう叔母さんだって、結婚してないじゃない。」
「私はする気がないの~」
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