1人が本棚に入れています
本棚に追加
実家を出てから1ヶ月。
新しい部屋の準備は着々と進んでいる。
作りは古いけど「大家さんが、改造して良いよと言うタイプ」らしく、ホームセンターに通うのが楽しくて仕方がない。
そして何より!
隣の女性がめっちゃ可愛い!
引っ越してきた当日、挨拶に行ったその瞬間から、僕は完全に恋に落ちた。
でも彼女には、ゴッツい彼氏がいる。でもその彼氏と別れるのも時間の問題だ。
昨日の夜、薄い壁の向こうから、激しい痴話喧嘩が聞こえてきたのだ。
内容は、彼氏が女を連れ込んでたとか、その女が慌てて逃げてくのを見たとか、そんな話だった。
男の方は激昴して、なんと彼女に手を上げたようだ。
彼女が「殺せばいい!」などと叫んでいたので助けたかったが、あの筋肉に勝てるわけがない。
そこで、僕はコソコソ通報して、彼氏は駆け付けた警察に連れて行かれた。
騒動に今気づいたふりをして、玄関先で声をかけた。
「だ、大丈夫?」
「ごめんなさい…うるさかったですよね。」
「いや、ヘッドホンして寝てて気付かなくて…(嘘だけど)。あ!唇切れてる、冷やした方が…」
「あ、ありがとう。大丈夫です…お、おやすみなさい。」
「な、何かあったら、相談、乗りますよ!」
彼女は悲しそうに笑って、部屋に戻った。
これはチャンス、大チャンス!
部屋に戻ってもなかなか寝付けなくて、枕を抱きしめて悶々とした。
明日、仕事終わったら、夕食でも奢ろっかな?
そしたら、もしかして、もしかすると、この部屋で…うわー!!
寝不足必須の深夜を回って、ようやく眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!