新居

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実家を出てから1ヶ月。 新しい部屋の準備は着々と進んでいる。 作りは古いけど「大家さんが、改造して良いよと言うタイプ」らしく、ホームセンターに通うのが楽しくて仕方がない。 そして何より! 隣の女性がめっちゃ可愛い! 引っ越してきた当日、挨拶に行ったその瞬間から、僕は完全に恋に落ちた。 でも彼女には、ゴッツい彼氏がいる。でもその彼氏と別れるのも時間の問題だ。 昨日の夜、薄い壁の向こうから、激しい痴話喧嘩が聞こえてきたのだ。 内容は、彼氏が女を連れ込んでたとか、その女が慌てて逃げてくのを見たとか、そんな話だった。 男の方は激昴して、なんと彼女に手を上げたようだ。 彼女が「殺せばいい!」などと叫んでいたので助けたかったが、あの筋肉に勝てるわけがない。 そこで、僕はコソコソ通報して、彼氏は駆け付けた警察に連れて行かれた。 騒動に今気づいたふりをして、玄関先で声をかけた。 「だ、大丈夫?」 「ごめんなさい…うるさかったですよね。」 「いや、ヘッドホンして寝てて気付かなくて…(嘘だけど)。あ!唇切れてる、冷やした方が…」 「あ、ありがとう。大丈夫です…お、おやすみなさい。」 「な、何かあったら、相談、乗りますよ!」 彼女は悲しそうに笑って、部屋に戻った。 これはチャンス、大チャンス! 部屋に戻ってもなかなか寝付けなくて、枕を抱きしめて悶々とした。 明日、仕事終わったら、夕食でも奢ろっかな? そしたら、もしかして、もしかすると、この部屋で…うわー!! 寝不足必須の深夜を回って、ようやく眠りについた。
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