1 プロポーズ

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「ブライダルチェック?」 聞き慣れない単語に首を傾げる春一。 すると鈴音は、 「ええ、妊娠や出産に影響を与える病気を持っていないか調べる検査です。透子からも受けた方が安心できるって勧められて」 千影透子とは、鈴音の北海道時代からの親友だ。 今もまめに連絡を取り合っている様子で、透子の元の職業はブライダルプランナーなので、鈴音にいろいろアドバイスをくれるらしい。 「前に、冬依くんの風疹騒ぎがありましたよね。その時から、やっぱり心配だったんです。だから結婚の前に、そういうの、ちゃんとしておきたいなって」 「……鈴音」 思わず口ごもる春一に、 「はい何ですか、春さん」 鈴音は屈託なく返してくる。 その無邪気な唇から、 「……結婚、って」 その単語がスルリと出てきて、春一は感激していた。 あんなに心配していたのに、鈴音はちゃんと春一の気持ちを受け取めてくれている。 春一の想いは、きちんと鈴音に伝わっていた。 夏樹が、 「知らないうちに鈴音が心変わりしてるってこともあるしな」 なんてニヤニヤ笑ったが、今こそ、 「ザマーミロ、鈴音にそんなわけあるもんか!」 と言い返してやりたくなる。
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