1 プロポーズ

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びっくりしたのか、鈴音は黙っている。 というか、果たしてこれで、プロポーズになったのだろうか。 「あれ?」 ずっと言わなきゃと思い詰めていたせいで、なんだか変なタイミングで言ってしまった。 鈴音は困ったように首を傾げて、 「なんで結婚しないなんて思ったんですか?」 逆に聞いてくる。 「ずっと私は、春さんと結婚するつもりでしたよ」 困惑した顔をしているが、面と向かって返事をもらえると、やっぱり嬉しくなる。 春一はホッと胸をなで下ろして、 「ちゃんと鈴音に言ってなかったんじゃないかって、ちょっと心配になったんだ」 夏樹に忠告されたからだとは言わない。 完璧なプロポーズをするはずが、なんだか妙な感じになってしまったし。 まあそうは言っても、予定では、 「俺と結婚してください」 とストレートに言うつもりだったから、言葉的にはそんなに違ってはない。 ……間違っていないはずだ。
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