1 プロポーズ

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「ごめん、なんか変なタイミングで言っちゃったかな」 春一は自分の残念さに頭をかいた。 どうも一番大切なところで決まらないのは、春一の悪いクセだ。 それでも鈴音は、小さくふふっと笑って、 「春さんからはいっぱいプロポーズをもらってますよ。気持ちも言葉も、いつもいっぱいもらってます。でも何度言ってもらっても嬉しいものですね」 喜んでくれた。 赤くなった頬を誤魔化すためにか、春一の胸の中にポスンと飛び込んでくる。 「春さんは、ずっと私との約束を守ってくれてますよね」 「約束?」 春一の腕の中から上目遣いで見つめてくる。 鈴音は、 「私のこと、ちゃんと好きって言ってくれてます。言葉がなくてもちゃんとわかります。春さんは私との約束を、ずっと守ってくれていますよ」 思ったことをうまく言えない春一を、汲んでくれる鈴音が愛おしい。 可愛い。 やっぱり俺には鈴音しかいないと春一は思う。 「春さん」 回した腕にキュッと力を入れてくる鈴音。 「私も春さんのことが大好きです。これからもずっと好きでいさせてくださいね」
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