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「ごめん、なんか変なタイミングで言っちゃったかな」
春一は自分の残念さに頭をかいた。
どうも一番大切なところで決まらないのは、春一の悪いクセだ。
それでも鈴音は、小さくふふっと笑って、
「春さんからはいっぱいプロポーズをもらってますよ。気持ちも言葉も、いつもいっぱいもらってます。でも何度言ってもらっても嬉しいものですね」
喜んでくれた。
赤くなった頬を誤魔化すためにか、春一の胸の中にポスンと飛び込んでくる。
「春さんは、ずっと私との約束を守ってくれてますよね」
「約束?」
春一の腕の中から上目遣いで見つめてくる。
鈴音は、
「私のこと、ちゃんと好きって言ってくれてます。言葉がなくてもちゃんとわかります。春さんは私との約束を、ずっと守ってくれていますよ」
思ったことをうまく言えない春一を、汲んでくれる鈴音が愛おしい。
可愛い。
やっぱり俺には鈴音しかいないと春一は思う。
「春さん」
回した腕にキュッと力を入れてくる鈴音。
「私も春さんのことが大好きです。これからもずっと好きでいさせてくださいね」
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