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それから夏樹は、
「来るのは伯母さんだけか? 2時だっけ。その時間は俺もいるからな春」
「だってお前は仕事だろう」
「んなもん行ってられるかよ。それより秋や冬依に、しばらく帰ってくんなってラインしとけよ」
「そこまで嫌うことないじゃないか。伯母さんはオヤジに代わって家を守ってくれているんだ」
田舎の慣習に従えば、家を継ぐのは長男である春一たちの父親だったはずだ。
でも仕事の関係で伯母夫婦が家を継いでいる。
その辺が、伯母と兄弟たちの関係の妨げになっているのだろうか。
田舎のしきたりがややこしくて面倒なのは、鈴音も実家が北海道の田舎なので知っている。
あちらにいる頃は両親の近所づきあいの様子をよく見ていた。
こちらに来て、隣近所の顔も知らないことに少し驚いたくらいだ。
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