3 伯母の来訪

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3 伯母の来訪

――ピポーン―― チャイムが鳴り、その瞬間、来生家の弟たちは、 『しまった!』 という顔になる。 鈴音の入院騒ぎですっかり忘れていたのだが、今日は午後から伯母が訪ねてくる予定だった。 夏樹は椅子をならして立ち上がり、 「テメーら帰ってくんなってラインしただろうが」 ドスの聞いた声で怒鳴るが、どこか小声なのは声が漏れないようにとの配慮か。 ただし伯母はまだ下のエントランスにいるから、声なんか聞こえるわけがない。 そんなことに頭が回らないほど夏樹は慌てている。 春一は苦笑して、インターホンに応えるために席を立った。 夏樹は、今のうちに部屋に引っ込んでいろと秋哉や冬依に合図をする。 でも秋哉は、 「もう遅ぇじゃん。諦めて出迎えて、みんなで待ってましたって言おーぜ」 椅子にもたれかかり頭の上で両腕を組みながら、呑気に伸びをする。 冬依も、 「ボク、伯母さんのことあんまり覚えてないんだ」 かわいらしく小首を傾げている。
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