テスト当日

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テスト当日

さて、本日の帝国一般部の新人たる5名は、帝国参謀ソリトンの指導の下、帝国メガロポリス・ファスタラヴィア区にて軍事演習の開始に入った。 ファスタラヴィア区とは、極寒たる帝国メガロポリスにおいて、最も温暖な場所である。それでもドクシャ界で言う所の温帯…よりもちょっと涼しいかもしれない程度ではあるが、暖地である事には変わりない。 《何故かマンゴーは生えるんだよなー、  アレは謎すぎる…》 此処はその氣候と、国境である石灰峠が目の前なので、主な産業は農畜産業と輸入品輸送であった。帝国参謀が申した謎のマンゴーも、主力産業の一つである。 「マナ、配置に就きました。」 「リョージ、着いたよ。」 「カツキ、目的地に到着した。」 「ツキカゲ、配置に就きましたわ。」 「マサト、配置に就いた。」 《おつかれ!んじゃ箱あけて、  何が当たったか報告よろしく。》 さて、上述の5名は迷いながらAEMの入った箱を手に、帝国謹製汎用通信機の地図を見ながら配置に付き、箱を開けた。 中には、日頃見慣れない武器が入っている…筈だ。 「銃です。アルファレーザーだと思います。」 《正解!  初心者御用達っつー名の神武器だな。》 「良かった、まだ使えます…」 アナスタシアのマナは、レーザーガン。学校の教材としても有名だからか、難なく使用出来そうだ。 「剣…それも大、剣…」 《リョージがランブルソードか、  エリートに相応しい武器だからガンバ!》 「お、も、いーっ!!」 サルートのリョージは、魔法使い史上大不運の大剣。浮遊魔法が無ければ訓練自体不可だった。 「カツキ、リレーのバトンの様な棒だった。  自分のAEMより重いから  ベレジスシリーズだと思う。」 《正解だけど、多分それシリーズ限定の…  スター●ーズ》 「ライ●セーバーか!?うおぉヨ●ダだ!!」 「でも形はダブルセイバーだね、分離は?」 《あ゙ーっ!!今回はナシで頼むホントすまん!  文句は機構課まで!》 「うっしゃりょうかーいぃっ!」 ヴァスカンダのカツキは、両手剣(特殊)。類似武器が好きなアニメにでも出てきたのか、氣合十分である。 《あちゃあネタ通りの氣合で起動してら…  あと2人どうぞ。》 「マサト、短剣2本ですが、  この長さで深い青色はまさか…」 《ネフィリム、名作中の名作。》 「意外と短いし浮けない。」 《ファンシスター、だっけ?  アレの真似すんなら要ジェットブーツ》 「なんだってー…」 リノクのマサトは、短剣二刀流。某アーツによる空中コンボが出来ると期待していたが、残念ながらソレは不可だった。 「なんやこれー!!  大砲やのにトリガーがあらへん!!」 《あーあ大凶枠出ちゃったか…  ソレは誰も分からんから、マジ頑張れ?》 「な、なんでやねーん!!」 《よし。  渾身の“ナンデヤネン”を回収できた所で、  本訓練の目的を再度述べる。》 参加者の悲喜こもごも――主にヴァルトリピカのツキカゲのツッコミ――を総て聞いた所で、ソリトンは氣を引き締めた。 《レーダーを見てくれ。正常に動いてるな?  本訓練における任務は、レーダー中で  赤点表示された拠点の奪還である。  今回は道中でマイAEMが使用不能に陥り、  日頃使わないAEMを補給されたパターンを  想定している。  敵もちゃーんと用意してあるから、  いつも通り派手にやってくれて結構。  説明は以上!》 「了解です。」 「はーい。」 「了解。」 「わ、分かったわ…」 「承知した。」 《では、訓練を開始する。総員、突撃!》
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