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さて参加者達は、簡易AEMを起動し、作戦遂行に入った。
場所は、訓練のため前もって人払いされただろう、人気の無いビル街。
敵はテロリストを想定した、自律人形(アンドロイド)だ。
(人工知能群も関係してたのか!)
人工知能および自律人形は、公には秘密とされている事が多い。それこそ、稼働テストが帝国軍の訓練でしか出来ない様な。
話しかけるとおそらく第一世代のキースが返答するだろうが、生憎そんな無駄は許されなさそうだ。
《目標確認 攻撃開始》
自律人形は手にした銃、剣、鎚…様々なAEMを手に襲いかかってきた!
「僕がマナのポジションなんて、
マージで有り得なくない…?」
「リョージに同じ、戦線の見極めが…」
「俺はいつも通りだが」
「この脳筋め!今日だけ羨まけしからない!」
「カツキ、君には、
フ●ースの導きでもあったのかい…?」
「私は…その、
撃つタイミングが分からなくて…」
「しょーが無いなあ、僕が合図してあげる。」
「ありがとうございます。」
「前衛はカツキと僕で行こう。
中衛はリョージ、後衛はマナで。
カゲは一先ず後衛で、
武器が分かり次第連絡しておくれ。」
『了解!』
参加者は慣れない武器に苦戦したが、マサトが司令塔になってからは連係プレーが出来てきた。
「ぬおぉおおぉ!!」
「まるでダース●ール…とは言い切れないな、
第一向こうが神。」
特にカツキは、日頃の戦闘法がサッカーボールだからか、ダブルセイバー――正式名称:ベレジスセイバー二式ーーで斬り込むと共に蹴りを繰り出し、一騎当千の働きを示していた。
「スリー」
「はい!」
「チャージ入れて1、
それと、返事はいら、ないっ!」
前衛が戦線を開き、撃ち漏らしを中衛が始末、後衛は戦線の状況を把握する…これが、マサトの戦法であった。
《メンタル値80 任務続行可能》
「ひぃ!…今、なんか喋らんかった?」
「喋りましたよね…?」
《メンタル値90
ハイテンションによる飛び出しに留意》
「ひいぃ!!なんやコレー!!」
《メンタル値80 任務続行可能》
しかし、四人が初めてのAEMで戦う一方、ヴァルトリピカのツキカゲは誰も知らない“トリガーの無い喋る大砲”に苦戦していた。
「大砲を向けた先を測定している様です、
ちょっと貸して下さい。」
「ほ、ほいな…」
後衛にいたマナはツキカゲのAEMを見て、
本人にも先を向けてみる事にした。
《メンタル値40 帰還推奨》
「たぶん“メンタル値”は精神安定度です。
でも、測るだけでは…」
《リジェン砲準備完了 対象に向けて下さい》
「え?」
《3 2 1 照射》
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