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「この大砲をツキカゲさんに向けると
緑色の光が出たんです。
それで、この状態に…」
「はあ。」
《メンタル値80 任務続行可能》
「…“メンタル値”が精神安定度を示している
なら、これは安定した…のだろうか?」
「うん、なんや、スッキリしたわ…」
「良いんだか悪いんだか」
「遅い!訓練はもう終わったぞ!」
「え、あ…そうなん?」
「あーあ、これじゃ使い物にならないね。」
《あ゛ー少なくとも立て続けに仕事がある時は
ダメだし、本訓練の目的にはそぐわない。》
「FFのブレイブやフェイスみたいな感じなら
使えそうだが、どうだろう。」
《…マサト、そのネタ頂くわ。いいかな?》
《良いですよ。》
《本日は訓練の目的にそぐわない兵器を用意
して申し訳なかった。本件については書面も
セットで通信部機構課にキツーく言っておく
ので、諸君は口出ししない様に。》
こうして帝国政府一般部の本日の訓練は、なんとか終了した。
参加者はお迎えの車に乗って先ず現地ホテルに寄り、荷物を回収後、車で帰還。帰還後はAEMを返して食事と風呂休憩で、午後から出勤予定だ。
…簡易転送装置を使わないのは、これが帝国軍一般部専用車両で、帝国全土の見回りも兼ねているからである。
「ツキカゲさん、大丈夫ですか?」
「…ああ、大丈夫でっせ?」
「良かった。では、また明日。」
「…うん、また明日。」
参加者のみんなは、車内でそれぞれに過ごした。慣れない前衛を張ったリョージとマサト、そして新武器に興奮したカツキは爆睡したし、マナもそろそろ寝ようと思っている。
ツキカゲは、ようやく受け答えが自然になってきたが、まだ少しぽーっとしていた。
明日になれば治る…事を祈ろう。
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