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「何人なんです?」
「・・・約三千五百万人だ。十五年前、悪霊出現直後の半数にまで減少している」
ロウトは、腕組みをして前をまっすぐに見据えた。
「人類生存対策か・・・。もう何度も話し合いをしているが、名案は一向に出て来ない。出てくる予感すらしない。なにしろ、人類=悪霊だからな」
そこで、まったく面白くなさそうに「ははっ」と短く笑った。
「だが、対策を講じることをやめるわけにもいかない。やめたらそこで・・・」
「団長。話の途中で申し訳ありませんが」
シンは、地図から離れてロウトの横に立った。
「うん・・・なんだ?」
「その人口ですが、ついさっき、マイナス二になりました」
ポケットから、警団のバッジを取り出し、ロウトに差し出した
「これは?」
「ペルスとリオのバッジです」
それだけで、ロウトはシンの言わんとすることを察した。殉職者のバッジを受け取る。
「それは・・・務めと報告、誠にご苦労だったな」
「いえ」
しばし、沈黙があった。先に口を開いたのはロウトだった。
「補充は、二人でいいのか」
「ええ・・・あ、いや、やはり」
「三人に戻すか? お前の希望でお前のグループだけ五人編成にしていたが、お前にもパートナーがいないと不便だろう?」
「いえ、補充はいりません」
「そうか・・・」
一度肯いたあと、ロウトは、困惑気味にシンを見上げた。
「え? いや、何?」
「補充はけっこうです。しばらく俺のグループは、俺とミティとルングの三人で任務に当たります」
「なんだと? いや、しかし」
ロウトは、今でこそ団長であり現場から退いているが、かつては最前線で悪霊退治に当たっていた。任務の困難さについては、重々承知だ。
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