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気分を変えようと露天風呂へ行った十郎は、湯気の先の先客に気づいた。
(男か? いや女のようにも見えるな。まあいい。距離をとろう)
そっと湯に入ろうとした十郎の首が背後から締め付けられた。
「っぐ! うぐっ! がはっ! むぐぐ……」
「久しぶりだね十郎。相変わらず隙だらけだよ坊やは……」
十郎の背中に女体の感触が伝わり、首への締め付けが緩んだ。
「お、お前はキノか?」
「そうだよ。お前の従姉だよ。アタシの身体で思い出すなんて可愛いねえ」
「姫でなくなった娘など放って里へ帰っておいで。また稽古をつけたげる」
再び十郎の首が絞まり、やがて十郎は失神した。
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