0人が本棚に入れています
本棚に追加
まるでさっちゃんみたい。なぜか白熊があまり好きじゃない私でもそのかわいさに目を離せなくなる。小腹がすいている今食べようかどうしようか。迷ってから冷蔵庫にしまう。うんうん。食べるのは14日になってから。それで試験が始まったら感想をさっちゃんに伝えよう。
と、4時間前は思ってたんだけど。結局今、私はさっちゃんのチョコを机の上のノートとか教科書の上に陣取らせている。つかれて、なんか食べたくて。甘いものー…と思って冷蔵庫に行ったのは覚えてる。けど!我慢しようと思ってたチョコを持ち出してしまっていたなんて。…いや、手に取って悩みましたけど。それが敗北の原因だな。
箱を裏返して個数を確認…うん、5個入りって書いてる。これなら1日1個これから食べても14日までもつ上に14日でもチョコが2つある。計算になる。
よし、開けよう。腹が減っては何とやら。
かぱっと箱を開けると、真ん中に1個、周りに4つという感じでチョコが入っていた。うれしいことに全部ホワイトチョコ。2つは星形で後の3つは白熊の形をしている。あ、よく見たら星のやつは下半分がミルクチョコみたい。黒いや。それでもうれしい。真ん中の白熊はプレゼントを抱えて笑ってる。端の2つはこっち…下に顔を向ける形で丸くなって寝ている。
あまり白熊は好きじゃないから、若干胸は痛いけど、かわいい。なんで好きじゃないか聞かれても覚えてないけど。まあ本能だろう。そして私が今チョコを欲しているのも本能である。うん。
ここは白熊を残して星を先に食べるやつだな。よし、いただきます。
一つ食べて目を丸くした。おいしい。ミルクチョコの味ももちろんするけど、ホワイトチョコの部分も負けてない。きっちり濃厚な味がする。
「おいしい、もう一つ…ん?」
あまりのおいしさにひとりごと。そして、後4つもあるしもう一つ。どれ食べよう。と思って手元の箱を見て、違和感。きになってよく見てみる。
端で丸くなってる白熊のうち、一個の姿勢が逆になってる気がする。チョコが逆さになってるとかそんなんじゃなく、顔を向けて丸くなってたのが、こちらに背を向けて反対を向いて丸くなってる気が…私の気のせい…?
さっきまでどうだったか思い出そうとして、じっとみつめていると。白熊の耳がピクリと動いた。いや、私が机にぶつかって揺れたとかじゃない。
最初のコメントを投稿しよう!