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末っ子の私は、弟が欲しかった。
兄や姉に召使いのように、こき使われていたから。
可愛くてなんでも言うことを聞いてくれる召使…
違った。
可愛い弟が欲しいな、と思っていた。
それはそうと
うちには物心着いた頃から猫がいて、飼い猫と言うよりは野良猫がたまにご飯を食べに来たり、触らせてやるよ?というような態度の、飼い猫かな?な飼い方で、それはそれは、まぁ、うん、可愛いかった。
しかし、とある夏休み
私の部屋の窓から見える道をはさんだお隣さんに同じくらいの歳頃の男の子が居るのに気がついた。
母に尋ねると
「あぁ、従兄弟だか親戚の子を預かってるって、あんたと同じ歳くらいよ、夏休みの間は居るみたい。
友だちにでもなってあげたら?」
そのお宅は、確か……うちのお姉ちゃんより歳上の大きなお兄さんが一人だったはず。
一緒に遊ぶような歳じゃないよね。
確かに夏休みだっていうのに、その男の子は一人で犬の散歩をしたり、剣道の素振りっていうの?を、したりしてる。せっかくの夏休みなのに!?
いや、なんかさ、かっこいいけど。
海とか行かないの?
友だちになる?私が?
小学生ながらにも、すこしだけ男の子を意識しはじめていた私には無理な話だ。
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