古内と新田、入学する

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私こと古内は、小学一年生にして、すでにこの世に新しいことなどないのだと気付いてしまった。私の友人である新田もきっと絶望してる。なぜなら彼は常に無表情だからだ。 新田は彼の叔母に連れられ、私は私の母に連れられ、醜い入学式という名の行事にやってきた。 新生活を有り難がれと図々しい主張を押し付けてくる桜まみれの入学式の門をくぐったわけだが、新田はそんな図々しいおしつけがましさに心底虚しいものを感じたはずだ。
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