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そういえば、年が明けていたらしい。
今年も一週間目までは、新年特有の非日常ムードに浮き足立っていた。
しかし半月も過ぎると、西暦が変わった事を忘れそうなくらい、日常だ。
新しい年になったら、なんとなく新しい事が始まる…気がしてしまう。
しかし、そんな降って湧いたような出来事もなく、日々は淡々と進んでいた。
…まあ、こんなもんだよなあ。
心の中で愚痴を呟き、シートにもたれる。
今朝も渋滞。
なかなか先に進まない。
…はあ。
「つまらん。」
重いまぶたを少しだけ上げて、空をみやる。
―そこには、鳥がいた。
いつもなら、きっと気にも留めないだろう。
茶色くて大きな鳥が、悠々と旋回してる。
今日はその姿がなぜだか、記憶として頭に残った。
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