シタ切リ

5/12
前へ
/12ページ
次へ
「係員さん、僕ら やっぱり落ち着いて座ってられないので… 子供が迷子なのにボーッとここで 待っているだけなのは逆に不安ですから 近くを探してきます。 親の声は流石にわかるだろうし。 連絡先、さっき書いた通りです。 なにか有れば携帯に連絡ください。」 「え、ええ、わかりました。」 奴は私と迷子センターを出た はぐれた子供を探すために 日曜の商業施設内は盛況で どこを見渡しても黒山の人だかりだ 「莉子、どこにいるの!?出てきなさい!」 「穂花ー!!」 私達の呼び掛けは周囲のざわつきに 吸い込まれていく 「りこちゃんママ、3階に戻りませんか?」 「ピッツェリアの前ですか?でも あそこ周辺は何回も探して…」 「小さな子共が一人でエスカレーターや エレベーターを使っていたら流石に 周りの大人が不思議に思って 声を掛けると思うんです。 まだ見付かってないと言うことは 3階から降りていない可能性が 高いんじゃないかなと思いますから。」 「そっか…そうですね。 なら、3階のトイレや喫煙スペースを 探しましょう。」 「僕は男子トイレを りこちゃんママは女子トイレの中を 探していきましょう。」 (言われて3階のトイレに来てみたけど 3階のこのフロアにはトイレは全部で7つ。     
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加