壇上

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「薬物に一度手を出すと平和な日常は帰ってきません。女の子が見ている景色は、実りのない、乾いた非現実な世界です」 ていうか、さっきからそこだけ合ってんのが凄い腹立つな。 「季節でいうと冬でしょうか」 ほんと腹立つ。 「とにかく、この女の子がいる場所こそが地獄でしょう」 いやそこ都内なんだよ。 「いやー、見れば見る程素晴らしい作品ですねぇ。佐伯さん、この結果はご家族も喜ばれたんじゃないですか?」 「え、えぇ、そうですねはい。特に姉はずっと笑顔で」 あの畜生姉、腹抱えて2時間笑い転げやがって。 私のアドレス登録名を【分不相応の擬人化】にしたことは一生忘れない。 「それでは佐伯さん、最後に一言」 「えっと、私の人生でこれほど思い出に残る出来事もありません。ありがとうございました」 悪い意味でな!
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