白紙

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入院１日目。
精密検査に異常はなく、経過観察として2、3日入院し、何事もなければ退院する事が決まった。記憶喪失に関しても様子見で、感覚のなかった左脚は幸運な事に骨にヒビが入った程度で済み、今ではしっかりと痛い。

「ミヤ、宿題持ってきたぞ！」
「大丈夫？」

放課後の時間には水嶋さんの他に、学校で見た顔が3人揃う。
小学校からの友人だという金城健也と西垣美香。中学からこの仲に加わったという木村克樹。
彼らは昨日、救急車が来るまでの間自分達のことを必死で俺に教えてくれた。
小学校からの友達は俺を「ミヤ」と呼ぶ事や、木村克樹は当初難癖を付けてくる面倒な奴だったのが、いつの間にか仲良くなっていた事とか。

残念ながらそれらの話を聞いても、何一つ思い出せなかったが。

今日も彼らは俺との昔話を聞かせてくれる。3人が楽しそうに話せば、昨日に引き続き険しい表情の水嶋さんも?が緩む。
小学生時代の話では、俺よりも木村克樹の方が面白がって食いついている。