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膝が湿っていくのがなんだか可笑しくて、震えた肩は果たして笑い故であったのか。それとも。
頭の中はぐちゃぐちゃで、なんだかわけのわからない空虚さが私を包んでいた。
シンプルな壁掛け時計から秒針の音がする。
ああ、そうだ、あの時計も、彼と見に行ったんだ。二人で選んだ。あんまり高くない安物だけど、私は気に入ってた。
ポーン、ポーンと音がする。
日付が変わった。
私は心の中で小さく呟く。
お昼の12時と、夜の12時と。1日に2回だけ鳴る時計なのだ。
彼からメッセージをもらったのが昨日になって、昨日から見て今は明日になった。
彼とはもう恋人同士ではない今日だ。
私はぐちゃぐちゃな心の中で。朝まで、と自分で決める。
こんな、うじうじと涙を流す私なんて、私らしくない。だからこれも日が昇るまで。
日が昇って、朝になったら。それはきっと、彼のことなんてちっとも気にならない、新しい明日になっているから。
そうならいいと、私は祈った。
今はまだ古い夜の中で。
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