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緊張して挑んだ初ライブ。
怖くて仕方なかった気持ちは、ライブが始まったら一瞬で吹っ飛んだ。
まず音の大きさに驚いた。
心臓が飛び出るかと思うくらい弾ける音が武道館いっぱいに広がった。
次にボーカルのシャウトに驚いた。
まだ始まったばかりなのに、これでもかというくらい叫んでいた。
そしてお客さん(オーディエンスって言うらしい)のヘドバンする姿に驚いた。
ネットで検索していた時にヘドバンをするライブだという情報を得ていたが、まさかこれほどとは思わなかった。
1階のステージに近いところなんて、もうめちゃくちゃだ。
ひとことで言うと、このライブやばいなと思った。
今までペンライトを振るコンサートにしか行ったことがなかったから、どう振る舞ったら良いのだろうと悩んでいたけれど、悩む必要はなかったらしい。
皆、自由だった。
拳を上げて音楽にのっている人、頭を振っている人、踊っている人。
決まりなんて、ルールなんてない。
ボーカルもバンドメンバーもオーディエンスも自分の思うままにライブを楽しんでいる。
皆の笑顔がそれを証明していた。
ライブの雰囲気に慣れ、音楽にのれるようになってきた頃、ついに私が大好きな曲が始まった。
ボーカルの声が響いた瞬間、嬉しくてちょっと泣きそうになってしまった。
この声、やっぱり大好き。
ボーカルの歌声とバンドメンバーが奏でるメロディーが身体中を駆け巡る。
会場は熱気に包まれ、一気に曲はラストへ向かう。
曲が終わっても鳴り止まない拍手。
立ち上がりたくなったけど、ここは着席指定席。
ぐっとこらえた。
次にライブに来る時はスタンディング席にしようと心の中で誓った。
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