<4>

1/2
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

<4>

ニッと笑って、ベンチから立ち上がる。 少女は顔をぱあっと輝かせて、青いランドセルを背負ったまま元気よく跳ねた。 「やろう、おにいさん! 新しい朝をもういっかい!」 「おうよ。新しい朝を取り戻してやろうじゃねえか」 そう言って俺はかがみ。 背の低い小さな少女の手をしっかりと握る。 「一二のさん、で、新しい朝をもどしてくださーい!!! って叫ぼうぜ」 「わかった。……じゃあいくよ、おにいさん。いち、にの、」 さーーーん、で。 握った手を、一緒に天へと突き上げた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!