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ニッと笑って、ベンチから立ち上がる。
少女は顔をぱあっと輝かせて、青いランドセルを背負ったまま元気よく跳ねた。
「やろう、おにいさん! 新しい朝をもういっかい!」
「おうよ。新しい朝を取り戻してやろうじゃねえか」
そう言って俺はかがみ。
背の低い小さな少女の手をしっかりと握る。
「一二のさん、で、新しい朝をもどしてくださーい!!! って叫ぼうぜ」
「わかった。……じゃあいくよ、おにいさん。いち、にの、」
さーーーん、で。
握った手を、一緒に天へと突き上げた。
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