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5限は英語。
英語の授業はいつも単語テストから始まる。
はじめの合図でペンを滑らせる。
英語は得意な科目だった。
知らない国に思いを馳せて、知らない国の言葉から文化を学んでいく。
単純に興味があったから、得意になった。
合図でペンをおく。
隣の相田くんと、単語テストを交換する。
○、×、×、○
相田くんはあまり勉強が得意じゃないのでは……といつも感じながら、単語テストを返す。
私のテストがかえってくる。
10点満点中の10点。
「葛城さんって、英語得意だよな。」
回りに気を使ってぼそぼそしゃべる。
彼の髪の毛は、地毛の色が茶色っぽく、ふわふわしている。前に家で飼ってた犬ににてるなーなんて思いつつ、「ありがと。」と言う。
よく見ると10点と書いてある点数の横に、花丸が書いてあった。
そういえば前回のテストの時も花丸が書いてあった気がする。
彼はいつも私に、小さな花丸をくれた。
私も彼のように誰かに花丸をあげれたり、元気付けられる人になりたいと思ったとき、普通の高校生と同じになったみたいで、少し嬉しく感じた。
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