醜悪の棲家

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 中央道の流れが徐々に戻って来たようだった。 ハンドルを握る滉は前方に連なる渋滞の車列を睨みつけるように見つめる。  もう少し行けばインターがある。 どうする。  タバコをくわえ、シガーライターで火を点けようとした滉だったが直ぐに吐き捨てた。 逆にくわえていたのだ。 舌打ちしながら吸い口に点いてしまった火を消して灰皿に押し込んだ。  気を取り直してタバコをくわえ点けると今度はちゃんと煙を吐き出せた。  楊の〝気配〟が消えた事に動揺していた。  ノロノロと走り出した車の中から車窓を眺め、滉は煙と共に息を吐いた。  楊、どうした。 何があった。
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