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『明日誰も無事生きてる保証なんて無いですよね』
「そうよね・・・・・・」
『ならダメ元でも、ただの逃避だろうと、始めてみませんか?
国としても大喜びだと思いますよ?』
「国が大喜びってのは凄いわねぇ」
何だか一気にきな臭くなったけど本当の事だ。
『気がつけば今回でカフェでの時間も終わりですね』
急にそう振られ、時間を見ればもう少しで終わりだった。
20回、1時間ですることもあったから、気がつけばあっという間だった。
「ごめんなさいね、初めての客が私で」
『何言ってるんですか!
まさか母と同じ元看護師の方とお話しが出来るなんて思いませんでした』
「イチロウ君のお母様が引き合わせてくれたのかも知れないわね」
なんて良く言いそうな台詞。
でも、なんとなく今回はそうなのかも、と思ってしまったのだ。
『だとすると、母はまだ心配してるんでしょうね』
苦笑いが聞こえる。
「あぁごめんなさい!
そういう意味じゃ無かったの」
『えぇ、わかってます。
でも心配していて欲しいな、とも思います』
「それは母親なら当然よ」
『・・・・・・そろそろ終了時間ですね。
初めてで色々と至らない点があったかと思いますがありがとうございました。
利用後にアンケートがありますのでどうぞ遠慮なく書いて下さい』
「遠慮なく書いて良いの?」
『・・・・・・出来ればあまり凹まない感じにしてもらえると』
真面目な声が聞こえて、私は笑ってしまった。
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