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私はその勢いを消してはいけないと、そのままネットでどう勉強し直すべきか検索した。
さすがに再度専門学校に行くお金もまとまった時間もない。
しかし思ったより、ブランクがあっても復帰するために支援する制度や勉強法が多く載っていて驚いた。
とりあえず勉強を軽くでもし直そう。
私は本屋に向かった。
その日から、夜の10時から勉強時間なのでリビングを使うからテレビは禁止というと、子供達は最初とても不満を言ったが、私が勉強をし始めると、おそらく本当に勉強をするとは思っていなかったのか、しぶしぶ不満は言わなくなった。
しばらくすると、娘がリビングに勉強道具を持って現れた。
私は驚いたが、何も言わずそのままにしていた。
そして一番驚いたのは、息子が、リビングでスマホのゲームをし始めたことだ。
「勉強しないで遊んでいるなら出てってよ」
「いいだろ、音させてないし」
「気が散る」
娘のイラッとした言葉に、息子が何故か押されている。
端から見ていて本当に珍しいものを見たと驚いた。
ぶつぶつ言いながら息子は部屋に戻ると、漫画を持ってきた。
そこにまた娘が怒る。
「二人とも、勉強の邪魔」
私の静かな言葉に、子供達は顔を見合わせると、二人で小声で揉めているようだった。
そしてそのうち、息子まで勉強を始めた。
本当に想像できないような風景だった。
あんなにどうしていいのかわからなかったことが、あの『宿り木カフェ』にたどり着き、彼と話し、私が動いたことでこんな風に家の中が変わるだなんて想像していなかった。
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