247人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
「ねぇ、本当に看護師になるの?」
夕食の時娘が聞いてきた。
「そうね、ある程度最低限勉強してから支援制度を受けてみて、短期間のものを探してみようと思ってるわよ」
「ふーん」
「だから、ある程度自分達でやってもらう事増えるからよろしくね」
「えー」
もの凄く嫌そうな娘に、息子も、え?という顔をしている。
「当たり前でしょ。
あんた達もそれなりの年齢なんだから別に私が色々しなくても良いでしょ」
私がそう言うと、子供達は今度はどう言い返すべきか悩んでいるようだった。
「看護師に戻れば、少しは人の役に立てるしね」
その言葉に、子供達は目を丸くしていた。
別に人の役に立つ立たないが良い悪いではない。
専業主婦が人の役に立ってないだなんて思わない。
でも、私はそろそろ子供から離れる準備が必要なのだろう。
母親でもありながら、恵子であるために。
「だから、応援よろしくね」
私が笑ってそう言うと、子供達は二人で顔を見合わせてまたぶつぶつと言い出した。
私はそんな二人を、穏やかな気持ちで見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!