Case2 親友が出来婚しそうな36歳

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『きっと分からないと思うよ、腹出てるし、背も高くないし、そんなに収入もないただのアイドルオタクだから』 「それでもいいよ、声は覚えておくから」 『はいはい、その時はお手柔らかに』 今度は完全に一線引かれなかった。 むしろ何かヒントをくれたようにすら思えて、なんだかドキドキする。 思い込みかも知れない。 でも今のオサムさんの言葉は、私には違って聞こえた。 「今までありがとうございました。 友達からちゃんと独り立ちして、自分を大切にするようにします」 『うん、頑張らずに楽しんで。 それと・・・・・・友達のことは、あんなこと言っておいてなんだけど、もう少しだけ広い心でみてあげても良いかもしれない。 でも、無理はしないで。 ・・・・・・では』 「・・・・・・はい」 どっちも最後はさようならとは言わなかった。 そして画面には通話終了の表示。 ヘッドセットを取り、机の端に置いていたスマートフォンを確認すると着信ランプが光っている。 開いてみれば、そこには彩からのメール。 「さてはて、鬼が出るか蛇が出るか」 私は少しだけ笑いながらそのメールを開いた。 END
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