13.甘い蜜のひと時

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13.甘い蜜のひと時

腕の中で何かが動く感触がして、ジョージは目を開ける。そこにブラウン色の髪をした、愛しい人が居て、安心した様にため息を漏らし、髪にそっとキスを落とす。 ぎゅっと抱きしめながらその愛しい存在が側に居る事で幸福感に満たされる。 「ジョー、ジさん…」と寝言で僕の名前を呼ぶレナに愛しさが込み上げてくる。 あぁ…もぅ、ずっと眺めて居たい、逃げられるないように手錠をして部屋から出したくない。僕以外の人に触れられたくない、この愛しい笑顔も泣き顔も全部誰にも見せたくない。もう僕だけの世界で過ごしてほしいと切に願っている。 こんな異常な執着心を彼女に知られたら…どう思うだろうか。又居なくなってしまうだろか? 悟られない様に、しなければ.な。 と心の中で思う。 すると、椎名が音を立てずに入室する。 「ジョージ様.そろそろ、お時間でございます」 「あぁ。…レナが起きたら身支度をさせ、院に連れてくる様に。ギブスカットをさせる」 「かしこまりました。」と答える椎名。 「それから.僕はまだ君を怒っている。忘れるな」 と睨みながら冷たい声を吐くジョージ。 ジョージは、あらゆる手を駆使しレナの居場所を突き止めたのだ。そして、椎名がそれに加担した事も知っている。代々、大宮家に仕えており、幼馴染でもある椎名をクビにしなかったのは、レナの身体を気遣った。レナ様は一切悪くありません。と椎名が申し出てジョージ自身に思い当たる節があったからだ。 「それと、アレの準備を忘れるな。レセプションは今夜だ。」と椎名に告げる。 「もちろん、滞りなく進めてあります。では、 お召し物のご用意を。」 と答える。 「あぁ。僕のプリンセス、良い子にしてるんだよ?すぐ、帰ってくるから、ね?」 と極上の笑みをこぼし、レナに優しくキスを落とす そして、シャワーに入り、アルマーニのスーツに着替えネクタイを締めて身支度を整えると、ジャガーに乗り出社する。 (この男は何台車を所持しているのだろうか…) ジョージの見送りをして椎名がマンションに戻るとレナが目を覚ましていた。

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