第2章 親友

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「あっそういえばさユウジの育ったのって伊豆だったよね?」 「あーそうそう。よく覚えてんらー! そうだ! せっかく伊豆行くなら俺が育ったばあちゃんとこ行ってみるだらー?」 ユウジも僕と同じで、小さい頃から父がいなかったらしく小学生まではおばあちゃんの家で育てられたらしい。 その後、お母さんが引き取りに現れて中学生から越して来たとのことだった。 僕と同じで父が小さい頃からいないことで不思議と馬が合うのかもしれないなんて勝手に思ってしまう時がある。 「俺も行って良いのかな? せっかく孫が来るなら一人の方がいいんじゃない?」 「大丈夫! 大丈夫! ばあちゃん俺が友達連れて来たって言ったら喜ぶに違いないだら! 母さんには内緒だけど、行くといつも小遣いくれるし優しいし、ちょうど欲しいゲームもあったし良いタイミングだぜ!」ユウジの頭の中には合宿という文字が消え、完全に小遣い目当てになっているようだった。 しかし、ただひたすら走り込む合宿に僕も一つ楽しみが増えたのは嬉しかったのでユウジの言葉に甘えることにした。 「そんじゃお邪魔しようかな!」 「そうこなくっちゃ! 合宿の真ん中の自由行動の日を使って行くだらー!」
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