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「ただ、そうなると革製品になりますよね。ちょっとコストがかかるかもしれませんがいっそのこと財布にしてみては?」
まてまて、そこ違うだろ。
「しかし、そこは去年のこともありますし、できるだけコストダウンはしていくべきだと思いますよ」
「まあ、それもあるな」
なんの話だ。おいおいおい。
有馬課長が別の人を指名する。轟陽子。私の1つ上の先輩だ。この人なら歳も私と変わらないから今どきのキャッチーな企画が期待できる。
「今回は王道のネクタイでいいのではないでしょうか。昨今、いろいろと懲りすぎることもあり男性も一歩引いてしますそうです。ならば安心感の高いネクタイで勝負すべきだと思います」
だから、チョコはどこいったんだよ。有馬課長は次々に指名していく。
「やはりワインとかお酒類が喜ばれるのではないでしょうか?」
「マフラーでぬくもりを分かち合うとかいかがでしょう」
「質素な感じでハンカチとかは」
もはや、チョコレートという言葉すらあがってこない。そもそもお菓子メーカーが衣料品や雑貨を作ったりできないだろ。ここは私が一発やってやる!意気込んで手を挙げた。
「お、西村ぁ、言ってみろ」
きたー!おし、いくぞー。
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